早稲田大学マスコミ研究会

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2021-01-01から1年間の記事一覧

『サンタの匂い』ペンネーム:モリリン

「匂い変わった? すごくいい香り」 姫が私のそばを通ると今までに嗅いだことのない上品な香りが鼻から入って脳みそを刺激する。一瞬あたりが真っ白になって、薄ピンク色の花が咲き乱れる草原にいるかのような感覚に陥った。 「フランスに出張してたお父さん…

『賢い娘とサンタを語る』ペンネーム:サカモト

「ねえママ、サンタさんているの?」 今年6歳になった娘は、小首を傾げ上目遣いで尋ねてくる。自分の可愛らしさをよく理解しているのか、大きな目を宝石のように輝かせてこちらを見ている。あざとい。我が娘ながら恐ろしい。この子がキャバ嬢だったら無限に…

『スズメを踏んだ日』 ペンネーム:サカモト

夏休みのラジオ体操は退屈極まりなく、ぼくは眠たくて仕方がなかった。子どもの生活リズムを乱さないためにあるのだろうが、余計なお世話すぎる。都会の子どもは夜更かし上等、早寝早起きなんてくそ喰らえだ。 その帰り道、道にスズメの死体が転がっていた。…

ドロップアウト ペンネーム:親王

「乗って。荷物は後ろね」 流線型のきれいな、青い車から顔を出した時田くんは親指で後部座席を指した。 『どっか連れてって』 そう彼に連絡したのは、今日のお昼休みだ。今日なんとか間に合わせた企画書、そして迫り来る明日のプレゼンのことを思ったとたん…

『この新聞部にはヘン人が多すぎる⁉ ~第一章 美術部殺人事件(前編)~』 ペンネーム:ぺいぺい

「おっほん。それではネタ出し会議を再開する。何か面白いネタがあるヤツはいるか?」 口元にチロットチョコの残骸を残しながら、部長は問いかけた。 「じゃあ、私から提案しますね」 そう言うと副部長はニタ~っとした笑みを浮かべながら続けた。 「私たち…

『プラナリア ~影の正体と終わりのない空間~』(ペンネーム:ぺいぺい)

ドク、ドク、ドク、ドク、…… 不気味な心臓の高鳴りを感じながら、僕は夢を見た。幼い頃の最悪な記憶。それは忘れたくても忘れられない、僕が母親に捨てられた時の記憶だ。 僕が生まれて間もない頃、父親が交通事故で死んだ。それ以降、母親は僕を養うため昼…

小説『Dear…』(作:親王)

Happy birthday to you Happy birthday to you 狭い牢獄のような部屋で、俺は目を閉じて歌っていた。部屋は小刻みにガタガタと振動し、ときどき下の車輪が大きな石を踏むのか、ガッタンと尻が浮き上がる。 Happy birthday dear … その先が出てこなくて、俺は…

「この新聞部にはヘン人が多すぎる⁉」

『この新聞部にはヘン人が多すぎる⁉ ~プロローグ~』 「それでは、ネタ出し会議を始める。この二週間で、みんなには学校中のネタを集めてもらった。その中から自分が記事にしたいネタを発表してもらい、みんなで検討したいと思う」 「お~、希ちゃん、なん…

『スノーグラス』

「そういうことだってあるのよ」 遠い記憶の中で彼女は言った。彼女の言葉は僕の心で渦巻く深い暗闇の中において確かな道を照らし出すことができた。捉えどころのない、そして相手を突き放すようで、でも発する言葉の一つ一つには肌で感じられるほどの温かさ…

My Hero, Your Hero.

もうとっくに気付いていた。アニメやラノベに出てくるような主人公にはなれない。幼い頃は、本などに出てくる主人公に憧れたし、仮面ライダーのベルトは全種類そろえていた。勇気を貰い、情熱や努力の大切さ、色んなモノを教わった。カッコいい、俺もあんな…

黒点 作:親王

二〇〇四年十一月十三日 透き通った赤色の景色の中で、それは異物として目に飛び込んできた。日の光を通して、薄赤く行燈のように光る粒の中に、黒々とした点が一つだけ打たれていた。古い印刷機で、インクが零れたときみたいに。 「あれ、なんだろ」 私は橋…

『Become Zero』 作:ぺいぺい

ジリジリジリジリジリジリジリ…… 真空空間のように音一つない静寂が満ちていた私の部屋を、始まりの合図がぶち壊した。 「ふぁ~、もう朝か」 私は、寝ぼけているのか頭にモヤがかかり、思考がままならない状態で鳴り続けていた目覚まし時計を止める。自分の…

UNIDOL2021 Fresh ~Berry/Citrus~ 早稲田チームパフォーマンスレポート【早稲田チームコメント付き!】

UNIDOL2021 Fresh ~Berry/Citrus~ 早稲田チームパフォーマンスレポート

『運命の出会い』 作:ぺいぺい(ぶんげい分科会)

「ふぁ~、もう朝か」カーテンの隙間から部屋に入ってくる日差しを目にし、そう呟いた。昨日は金曜日で、学校がない土日を控えていたからゲームで徹夜をした。服装はもちろんジャージである。動きやすいし、着やすいジャージは俺のような引きこもりゲーマー…

『ヤモリが』 作:親王(ぶんげい分科会)

「きゃっ」 取り出した服に何かついていると思ったら、ぽとりと床に落ちるなり、さささっと箪笥の裏に入り込んだ。おそるおそる箪笥の裏を覗くと、イモリがじっとこちらを見つめていた。 「お母さん、イモリがいた」 母に報告すると、母は「どれどれ」と箪笥…

想いは密。UNIDOL2021 Summer 関東予選2日目 【独自取材&レポート】

今回は、前回に引き続きユニドル関東大会予選二日目の各チームパフォーマンスレポート、さらに最後には早稲田大学のチームに頂いた特別コメントを掲載しております。是非最後までご覧ください! 前回のユニドル関東大会予選一日目の記事はこちら。一足早い「…

原作未読の大学生が映画マチトムを見てみた!【試写会レポート③】

今回は、映画「都会のトム&ソーヤー」の完成披露試写会にお邪魔させていただきました。私は「都会のトム&ソーヤー」を読んだことはなく、試写会で初めて作品に触れます。トム&ソーヤー未読の人間から見たレポをお届けします! 試写会は舞台挨拶から始まりま…

懐かしさをもう一度【試写会レポート②】

映画を観て「懐かしい」と感じたことは初めてだったかもしれない。私は、原作の「都会のトム&ソーヤ」シリーズを読んだことがなかったため、映画を観終わった後にキャラクターがいかに再現されているかを比較したり、原作でどのように彼らが描かれていたか…

世界で初めて映画「都会のトム&ソーヤ」を鑑賞したファンのひとりになった話【試写会レポート①】

2021年6月29日火曜日、映画「都会のトム&ソーヤ」完成披露試写会。 よみうり大手町ホールは、大きな拍手で包まれました。 ——この時間に立ち会うことができてよかった! ——この映画を観られて本当によかった! 心を満たすあたたかさを感じながら、私もただ力…

【独占取材】早稲田大×コロナ対策

コロナ禍の中、7.5億円の空調設備といった数々の対策を打ち出してきた早稲田大学。その裏側を教務部事務副部長・根本さんに突撃取材した。

「7.5億の空調設備」、実際何をした?【早稲田大学取材企画】

早稲田大学が対面授業を実施する理由として、度々登場する「7.5億の空調設備」。早大生にとって、もはやお馴染み。今回は、コロナ対策として設置した空調設備について、教務部事務副部長・根本さんにお話を伺った。 「十分な換気設備を持たない校舎では、対…

一足早い「夏」。UNIDOL2021 Summer 関東予選1日目【独自取材&レポート】

今回はそのユニドル関東大会予選一日目の各チームパフォーマンスレポート、さらに最後には決勝進出チームに頂いた特別コメントを掲載しております。是非最後までご覧ください! ★.ユニドルとは? ——女子大生たちによるアイドルコピーダンスナンバーワンをか…